第5回ミジンコ合宿:サンプル1・琵琶湖の植物プランクトン

ここで紹介するものは一瀬諭さんに採集していただいた植物プランクトンです。TeamMijinkoは基本的にミジンコ狙い。坂田さんのプランクトンネットも観賞魚用の網を使ったミジンコネットも網の目が粗いため小型の植物プランクトンは引っ掛かりません。植物プランクトンを目的とした目の細かいネットを使うことによりはじめて見られるのです。
ここでは合宿で見たものの一部をご紹介します。皆でモニターを見て騒いでいるとシャッターを切るのを忘れがち。帰ってみると合宿で見たはずのプランクトンの写真がなかったりするのでした。

【ユードリナ】

教科書にはボルボックスが紹介されていますが、ユードリナもこの仲間です。この個体は64細胞で、4,8,8,8,4細胞が一面に並んでいます。
一つ一つの細胞から二本の鞭毛が出ていてこれを動かした泳ぐのですが、鞭毛がこれほどはっきり見えるのはAxioImagerA2の微分干渉の力と改めて感激しました。CarlZeiss恐るべし!

【フタヅノクンショウモ】

理科の教科書の定番ですね。各細胞から2本の角が出ています。

【サメハダクンショウモ】

2本の角はフタヅノクンショウモと同じですが細胞同士の間に隙間がほとんどありません。

【アウラコセイラ アンビグア(ヒメマルケイソウの仲間)】

ケイソウは「やさしい日本の淡水プランクトン」に出てくる順に並べます。詳しいことは本を見てください。
ヒメマルケイソウというと円形のものを思い浮かべてしまうのですが、このらせん型でも「ヒメマル」なんですね。珪藻の分類は難しいです。

【ナガイトマキケイソウ(イトマキケイソウの仲間)】

筒型で四隅から長い刺が出ています。
表面に波模様が見えますが、これも顕微鏡の実力なのです。

【ホシガタケイソウ(イトマキケイソウの仲間)】

通常は4または8個の細胞が片端でくっついて星のような形になっています。

【エスガタケイソウ(フナガタケイソウの仲間)】

S字型なのでこの名前。でもカタカナで書かれると変な感じがするのですが…。ケイソウには上下左右が対象なもの、左右だけ対象なものなどがあります。
ケイソウは身近なところで見られます。例えば河原の石ころの表面がぬるっとしていたら、そこにはたいていケイソウが着いています。ここを歯ブラシなどでこすれば簡単に落ちてくるので顕微鏡をもっている方には是非とも試していただきたい対象です。

【オオミドリムシ】

実際に観察していると「ホオー!」というほど大きいのですが写真では分かりませんよね。でもわざわざスケールを測るようなことはせず、形を楽しむのがミジンコ合宿なのです。

【ミクラステリアス・ハーディ】

在来種ではなく比較的最近入ってきた外来種です。大型であるため植物プランクトンを餌としている小魚に対して他の種より食べられにくく繁殖しているそうです。