顕微鏡撮影と機材|マイ・プレパラートのススメ!

J248_1(2015.7.6)

【顕微鏡を見分ける目を養うには!?】

J248_BF3新規購入を含め顕微鏡やレンズの性能評価が必要になることがあります。2つ並べて比較できればよいのですが常に可能とは限りません。
そこで自分の基準となるプレパラートをもつことをお薦めします。同じプレパラートを繰り返し見ることで自分の中に「顕微鏡の絶対値」が少しずつできてきて、初めて使う顕微鏡やレンズでも違いが分かるようになるものです。

【私の作業用プレパラート】

PSG_01セッティングを変えた後や新規購入を検討するレンズがある時、何らかの評価を頼まれた時などにはこれと決めたプレパラートを使います。私の日常作業用ケースには、ミクロワールドサービスの珪藻プレパラート(リサーチグレード)『珪藻(海洋)PSG-01(写真)』『珪藻(河川)OTK-01』と『組織染色標本』、「対物ミクロメーター」を入れてあります。
珪藻は「微細構造が見えるor見えない」で性能評価が可能。値段もお手頃(というか安すぎるくらい)なので頻繁に顕微鏡を使う方にはぜひ1枚入手することをお薦めします。

【できれば欲しいこの1枚:ミクロワールドサービス・Jシリーズ】

J248_BF1ミクロワールドサービスは芸術的なプレパラート・Jシリーズも販売しています。これは「どうすればこんなに美しく珪藻を並べられるのだろう!」というもの。見ているだけでミクロの世界に吸い込まれていきます。
「論より証拠!」ぜひ一度ミクロワールドサービスのホームページをご覧になることをお薦めします。
ちなみに私が購入したのはこれ(トップ写真も同じ)。デザインはシンプルですが珪藻の種類が多いので、さまざまな条件での評価に役立っています。

【珪藻プレパラートの使用例】

先日ネットで見つけたZ社の中古レンズは定価で70万円を超えるものが何と3万円弱。これはと思って実物を見てみるとレンズ内にオイルの汚れが…。これが実際の見えにどれだけ影響するかを確かめたのが珪藻プレパラートです。
ちょうど同じレンズの正規のデモ品を借りられたので比較したのですが、正規品ではシャープに見える構造がこの中古品ではポヤけて見えませんでした。単に3万円のレンズと思えば悪くはありませんが、わざわざ買うほどのものではないと判断して購入をやめました。

【後日談】

この珪藻プレパラートの作者であるミクロワールドサービス・奥修さんがご自身のホームページ「本日の画像(2015年7月16日)」の中でこのページを取り上げてくださいました。撮影条件等も読み取られた上でお褒めの言葉までいただき感謝しています。
奥さんはホームページの写真を見るだけでも多くのことを学びとれるので、私が(勝手に?)顕微鏡の師と仰ぐ数少ないスペシャリストの一人です。顕微鏡友の会(仮称)等で何度もお会いしておりメールでやりとりすることもありますが、お互いのページについて報告することはないので見ていただけて光栄です。私は常々奥さんのホームページを訪ねていますが、たまには奥さんにも見ていただける価値のあるページにできればと思います。(2015.7.31追記)