これが私の顕微鏡⑤ Nikon・L-Ke

NikonS型をアップして間もないのですが仕事場の日常使用をL-Keに変更しました。S型と同世代ですが上位機種になります。鏡筒、レンズ、コンデンサー、ステージなどは共通なのでまるごとお引越ししました。変わった部品は照明くらいでしょうか。
現時点ではまだ整備がすべて終わったわけではないのですが十分に実践導入できるまでになりました。S型との違いをご紹介しますが、逆にS型のメリットもお分かりいただきたいと思います。(2020.5.9~)

【レボルバーが外れてレンズは5本ですが…】

私は同じレンズを出前スコープやオプチフォトでも使うことがあります。レンズを外すときにボディについたまま回すよりはレボルバーごと外れた方が作業は簡単です。ただし顕微鏡を一台しかもっていない人には不要の機能でしょう。まあクリーニグは楽になりますが。
装着できるレンズがG型では3本、S型が4本、L型は5本。付け替える手間がなくて良いと思われるかもしれませんが良いことだけではありません。元々がショートバレルと呼ばれる小型のレンズを前提に設計されているのでより大きく同焦点距離も異なるCF系のレンズはプレパラートを外す時などかえってじゃまになってステージを思いっきり下げる必要がでてきます。一長一短ですね。

【コンデンサーの芯出しができる】

矢印のネジを回すことでコンデンサーの位置を調整できます。これによりプレパラートに正確に光を当てることができ、あえてずらすことも可能になります。
とはいえなければないだけのこと。私も気にせずS型を使っていましたし。

【-Keはケーラー照明】

S型にもS-Keというタイプがあるのですが、L型は全てL-Ke。この「Ke」はケーラー照明ができるということでボディの背面にランプが取り付けられます。ケーラー照明の詳細については日本顕微鏡工業会のページにお任せします。
ただし私が別の顕微鏡でやってきた単にステージ下にLEDを置くのと比較して得られる像にどれだけ違いがあるかは未確認です。たいていの顕微鏡ではどちらか一つになりますがこのL-Keは両方やれるので近々試してみたいと考えています。背面はLEDの位置を調整するのが手間なので下に置くだけで済むなら話は早いです。

【当面はLEDで応急処置】

ということで当面はアルミ板にLEDを張り付けて集光レンズ部分に落とし込みました。G型、S型では50mmφ10mm厚のアルミ板を使っていましたがこちらは40mmφ。落とし込みが深いので20mm厚にしないと取り出せなくなる恐れありです。
このままでは光が漏れて眩しいので実際には黒紙を巻いています。
[補足]これまでCFPlanAPo40xくらいまでならケーラー照明でも下に置くだけも画質に大差ないかと書いてきましたが、光量には結構な差が出ます。ケーラー照明の方がハッキリ明るいので特に撮影などで光量が欲しい場合は工作をお勧めします。(2022.6.7)

【ギヤは大問題】

L-Keを入手してからしばらくは使うことができませんでした。その理由はフォーカスを合わせられなかったからで粗微動装置のカバーを外すとデルリン樹脂のギヤが割れていました。全体的に作りがいいにもかかわらずこれで名機が使えなくなるのは残念です。
ただ世の中にはこに該当する部品を身中で作っている人がいて運よく入手して解決しました。
ギヤが樹脂であることによるトラブル他にもあるらしく粗微動ギヤは金属の方が安心です。ちなみにS型には粗微動が同軸ではなく分かれているタイプは金属製です。
粗微動同軸の方が手を動かさなくて済むのはいいのですが当てにならない中古品では粗微動分離のS型があれば無難かもしれません。