これが私の顕微鏡② 出前スコープ:ニコン・GH2

(2019.3.10~)

2018年に入手した顕微鏡です。かつてのニコン製品は様々な部品が交換できたので、その中からもっともボディの軽いNikonGH2を選択。部品の交換や改良を加えて出張用の出前スコープとしました。

【三眼鏡筒で同時に大勢で楽しめるように】

標準装備の左の単眼鏡筒では1人が覗いている間は他の人は何も見られません。そこで三眼鏡筒に交換してモニターでも見ることができるようにしました。
三眼鏡筒には視野とカメラへの光路を切り替えでいろいろなタイプがあるのですが出前スコープではフットワーク最優先で切り替えなしの一番軽いものを選びました。

【三眼鏡筒を改造】(2019.9.26)

この顕微鏡が使われていたころは写真といってもフィルムのフルサイズから。周辺をケラレずに撮影するにはアダプタや写真撮影用のレンズが必要でした。
ところが現在のマイクロフォーサーズのセンサーサイズだと話が変わってきます。接眼レンズを見てフォーカスを合わせてから写真光路上でフォーカスの合う位置にセンサーを置けば問題なく撮影できるようになるのです。
とはいっても接眼レンズがじゃましてカメラを好きな向きに変えられなかったりアダプタがほんの少し長くて接眼レンズで調整する必要もありますが、一眼レフカメラを使えるメリットがそれらをはるかに上回ります。4Kモニターの大画面で顕微鏡像を共有できるようになりました。

【対物レンズ&接眼レンズの交換で画質アップ】

有限系どうしならレンズは交換可能。以前オプチフォトで使っていた対物レンズ・PLANシリーズと接眼レンズ・CFW10×に交換、さらにApoシリーズも導入しています。対物レンズは解像度が上がってより鮮明な像が得られるようになり、接眼レンズの視野も広がります。

【XYステージも標準装備】

倍率を上げるとフォーカスだけでなく位置の微調整も重要になります。学校の顕微鏡のように単にクランプで押さえるだけでは思うように見るものを真ん中に置くことができません。かつての規格では別にXYステージを購入して使うこともできますがGH2ではXYステージも標準装備。コンパクトにまとまっているので便利です。

【コンデンサーへの一工夫で暗視野観察も可能】

GH2はコンデンサーも交換可能。PhaseContrastなどにすれば暗視野、位相差観察もできるようになり細胞の核まで見やすくなるのですがめったにそこまですることはありません。
そこまでしなくても実に簡単な工作で観察の幅は広がります。写真は暗視野コンデンサー。何のことはない黒い紙を丸く切ってはっただけ。これでもかなりの暗視野効果が得られます。

【偏斜照明可能なコンデンサーを入手(2019.10.5)】

これは絞りの部分がスライドするコンデンサーです。オマケに回転するので思う方向に影を点けて立体感の観察ができるようになります。

【照明装置はパワーLEDに】

元々ついているのはハロゲンランプ。色を補正するために濃いブルーフィルターが必要になり視野が暗くなってしまいます。
そこで照明はパワーLEDを使って自作したものと交換。単に明るいだけでなくランプの寿命も長くなるので出先での球切れの心配もありません。

【スマホがあれば写真も動画も撮影可能】

画質が良くなるからと一眼レフカメラを使おうとするとアダプタや延長チューブ、撮影用レンズが必要になるだけでなく、撮影範囲の制限も出てきます。
出前スコープで紹介したいのは誰もが簡単に手に入れられて簡単に応用できること。スマホを使えば写真や動画の撮影はもちろんケーブル一本テレビモニターへの出力もOKです。
ただ手持ちで接眼レンズに向け続けるのはブレたり手が疲れてしまうので固定方法の一案を紹介します。