食虫植物が自生する所は全国各地にありますが、ある程度まとまって見られる場所は限られています。なかには、地元の保存会などによって保護されている所もあります。自生地に出かけて、実際に食虫植物を観察してみましょう。
北海道の東部、釧路平野に広がる日本最大の湿原です。釧路湿原は、ラムサール条約の登録湿地とされ、また、釧路湿原国立公園にも指定されているので、自然や生態系が守られています。
美しい広大な土地には、さまざまな動植物に混じって、モウセンゴケやコタヌキモなどの食虫植物が自生しています。
千葉県の九十九里平原の中央あたりにある自生地で、モウセンゴケ、イシモチソウ、ミミカキグサをはじめ、8種類の食虫植物を見ることができます。
この自生地は、1920(大正9)年に国の天然記念物に指定されましたが、しだいに土地の乾燥化や別の植物の侵入などが進み、食虫植物が育ちにくい環境になってしまいました。その後、水の確保や外来種の植物の刈り取りなどが行われ、環境が整えられていきました。
現在では、「成東・東金食虫植物群落を守る会」が中心となり、保護活動が行われています。
尾瀬は、福島県、栃木県、群馬県、新潟県の4県にまたがる高原です。尾瀬ヶ原や尾瀬沼などを含む広大な土地が尾瀬国立公園に指定されています。この自生地では、ナガバノモウセンゴケをはじめ、モウセンゴケ、コタヌキモ、ムラサキミミカキゴケなどの食虫植物を見ることができます。
尾瀬では、自然の動植物や景観を保護する活動が盛んに行われているので、食虫植物も大切にされながら、自然の営みを繰り返しています。
埼玉県羽生市にある宝蔵寺沼は、国内唯一のムジナモ自生地となっています。ムジナモは絶滅危惧Ⅰ類の食虫植物で、自生地は天然記念物に指定されています。
かつて、この沼のムジナモは絶滅寸前にまで追い込まれましたが、保護活動によって、しだいに数が増えていきました。現在では、「羽生市ムジナモ保存会」や市内のすべての小学校・中学校などで保護活動が行われています。
ここは愛知県武豊町の丘陵地にある植物群落で、愛知県自然環境保全地域に指定されています。一般公開されるのは年に数日だけですが、湿地特有の植物や昆虫を数多く見ることができます。
ミミカキグサ、ヒメミミカキグサ、モウセンゴケ、トウカイコモウセンゴケなど、7種類の食虫植物が自生しています。
サロベツ湿原 | 北海道豊富町 |
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霧多布湿原 | 北海道浜中町 |
八甲田山谷地湿原 | 青森県十和田市 |
駒止湿原 | 福島県南会津町 |
戦場ヶ原植物群落 | 栃木日光市 |
コウシンソウ自生地 | 栃木県日光市(庚申山) |
赤城山湿生植物群落 | 群馬県前橋市(赤城山) |
仙石原湿原 | 神奈川県箱根町仙石原 |
葦毛湿原 | 愛知県豊橋市 |
御池沼沢植物群落 | 三重県四日市市 |
川南湿原 | 宮崎県川南町 |
名護岳コモウセンゴケ群落 | 沖縄県名護市(名護岳) |