撮影スタイル|接写システム・マクロ撮影について

2015.8.29改
接写によるマクロ撮影のポイントをご紹介します。

【はじめに:マクロ撮影のレンズと表現サイズについて】

macro_sys1一般的なカメラと顕微鏡の中間サイズを撮影するのが接写システムによるマクロ撮影と言えるかと思います。技術的には中間リングを介してマクロ専用レンズをカメラに取り付けて撮影します。
このシステムでサイズを変えるとフォーカスも変わってしまうのでズームはできません。ズーム機能付マクロレンズを購入したこともあるのですが極端に画質が落ちるので、どうしてもズーム効果が必要でない限り使用しておりません。
マクロレンズは顕微鏡レンズと違って絞りがついています。被写界深度が深くすることができるので、顕微鏡と重なるサイズの撮影では効果を考えて選択しています。

【マクロ撮影の現場では】

顕微鏡まで拡大するとステージ(=台)にプレパラートを固定するため手が出せない世界になるのに対して、マクロ撮影はギリギリのバランスで進められることがあります。
拡大すればものの「角度」「傾き」「固定=揺れ」なども強調されます。これらの問題をどう解決していくかが常に課題となります。

【カメラの固定方法:スタンドorビデオヘッド】

macro_stand基本的には垂直に立てられたスタンドに固定して撮影します(写真・左)。微動装置が優秀であることに加えてXYステージに対しても垂直になるなど操作性が良いからです。
対象の向きを変えられない場合はビデオヘッドを使いマクロスライダーでフォーカスを微調します(写真・右)。

【照明は自作のLED】

マクロ撮影のポイントの1つは照明です。カメラのセンサーにある程度の光が当たって撮影が成立するわけですが、被写体が小さいとそこから光を得なければならないのでそこを明るくする必要があります。
写真のように1コマだけなら長時間露光という手もありますが、動画のシャッタースピードは最低1/30秒相当なので強いライトが必要になるのです。
これまで市販のものも試してきましたがなかなか適当なものが見つからず、自分でLEDを利用して工作した照明装置で撮影しています。
余談になりますが、顕微鏡ではさらに拡大しているもののコンデンサーレンズなどにより効率よく光を集中させるため割に光不足で困ることはありません。

【ステージなど】

★XYステージ
動きのある小さな昆虫などをスムーズに追う時などはXYステージを使います。中央部に穴があいているので裏側から照明することも可能になります。
★傾斜ステージ
被写体の角度を変えたい時に重宝します。
★クリップ
細いものであればクリップで挟んで固定します。

→さらに詳しことは直接メールでお問い合わせください。

【補足:ズーム効果について】

マクロサイズでもある程度のズーム効果を得るためには多少画質を犠牲にしなければならないこともあります。
ただし対象によっては画面周辺に滲みや歪みがあっても演出上問題にならないこともあると考えています。(2015.8.11)
→マクロサイズのズームサンプルがこちらにあります。