これで使える顕微鏡・初級編(05):倍率を上げる

顕微鏡の倍率は「対物レンズの倍率×接眼レンズの倍率」で決まります。より倍率を上げて拡大観察したいときはそれぞれのレンズをより倍率の高いものに代えていくことになります。NikonGH2には5、10、15倍の接眼レンズがありますがこれは鏡筒から抜いて差し替えるだけなので使い方の説明は省略します。まあホコリが入らないように気をつけてください。
ここでは対物レンズの倍率を上げ方について説明します。(2019.8.15~)

【倍率を上げる前に:プレパラートの位置合わせ】

倍率を上げるということは見る範囲が狭くなるということでもあります。
例えば4倍の対物レンズで見える範囲がブルーのところとすると10倍の対物レンズはピンクのところだけを見ることになります。
そこで倍率を上げる前に見たいもの、見たいところはできるだけ真ん中に動かしておきましょう。

【ターレットを回してレンズを交換】

NikonGH2では3本ですが顕微鏡には何本かの対物レンズがついていてレボルバを回して使うレンズを変えられるようになっています。
4倍のレンズで観察していて10倍に変えるときにはレボルバを回します。レンズをもつと故障の原因になるのでレボルバをもって回してください。

【レンズを変えるときはレボルバを回すだけ! フォーカスは微調整のみ】

顕微鏡はレンズを変えてもフォーカスはだいたい合うように作られています。レンズを変えるときはそのままレボルバを回すだけです。もちろんちょっとはフォーカスがずれますが微動ハンドルだけ足りるはずです。これは40倍にするときでも同じです。この時のレンズ先端からプレパラートまでの距離(=作動距離と言います)を覚えておくといいでしょう。
ただしこれはきちんとしたメーカーの同じシリーズの対物レンズの場合です。メーカーが違ったり同じメーカーでも違うシリーズの対物レンズではうまくいかないことがあります。
また倍率の高いレンズほど長く、先端がプレパラートに近くにくるので使い始めは横から見てレンズの先端がぶつからないことを確認しながらレボルバを回しましょう。

【補足:高級顕微鏡の接眼レンズは10倍】

NikonGH2には5、10、15倍の接眼レンズがあるのでこれで倍率を変えることもできるのですが、10倍固定がいいと考えています。今後もっといい顕微鏡が欲しくなったとき、多くの顕微鏡の接眼レンズは10倍になるでしょう。接眼レンズを交換すればホコリが入ってしまう危険もあります。掃除も面倒なので私は変えません。

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