これで使える顕微鏡・初級編(29):番外編・観察力を高めるプレパラート

顕微鏡観察のスキルを高める方法の1つはこれと決めたプレパラートをもつことです。同じものを見続けることでだんだん目が慣れてきて、自分の観察力の変化に気づいたり、顕微鏡の状態の変化も分かるようになります。さらには同時に見ることのできない他の顕微鏡との性能の比較も見慣れたものをもっていけばだいたいの違いが分かるようになるのです。写真はミクロワールドサービス・OTK−01(2019.8.15〜)

【顕微鏡の異常に気がつく】

顕微鏡を覗いて何だか見えがよくないと思えることがあります。コンデンサーや接眼レンズの汚れならちょっと触ればわかるのですが、対物レンズを外すのは億劫です。そんな時はまずプレパラートを見ます。上のプレパラートはそのためのもの。見慣れた硅藻の粒々がいつものようにハッキリ見えないなどおかしいと思えばすぐに外してクリーニングするのです。

【新しいレンズを買う前にも】

レンズによる見え方の違いが分かってくると新しいものが欲しくなります。でも新しいから必ずしも良いという訳ではありません。そんな時にも見慣れた珪藻プレパラートを使います。
私のお気に入りの対物レンズの1つがCaelZeissのAPOCHROMAT63倍。新しいといっても中古で購入したのですが、実はチャレンジの2本目です。中古で見つけた1本目で珪藻プレパラートを見てみたら細かい構造が見えなかったので見送りました。次に見つけた2本目は正規品と同じレベルで観察できたので購入を決めました。

【オススメはミクロワールドサービスの硅藻プレパラート!】

硅藻はガラス質の細かい構造をもった植物プランクトンです。ミクロワールドサービスさんはこれをプレパラートにして販売しています。もちろんエデュケーショングレードやリサーチグレードでもいいのですが、できたらJシリーズの購入をオススメします。
いろいろな種類の珪藻がきれいに並べられたJシリーズはまさしく観賞用の芸術品で、顕微鏡で眺めているだけで幸せな気分になります。もちろんテストツールとしても好みの硅藻を選んで確認することが簡単にできるようになります。

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