これで使える顕微鏡・上級編(12):像のクオリティを決めるのは対物レンズ

顕微鏡の肝は対物レンズです。良いものになれば顕微鏡全体のコストに占める割合も大きくなります。
だとすれば一番ていねいに書かねばならないと思って書きはじめましたが、書いているうちにこのページをご覧の方にはオーバースペックのような気がしてきて書き直しました。
理屈だけ知っていても実際に見て満足できなければ意味がありませんし、いいレンズが欲しくなっても実際に買うのは意外にたいへんです。(2020.5.5~)

【レンズの種類:アクロマート、フルオリート、アポクロマート】

詳しい話しは日本顕微鏡工業会のページにお任せすが、上記の3種類があります。順に性能が上がり、それ以上にお値段も上がります。
購入する時にそこが価格に反映されているかは見るべきところです。

【開口数=NA】

レンズのレベルの目安になるのは開口数で大きい方が良いものと考えてください。
目安として10倍のレンズを例にすると、NikonS型、G型などに標準でついているものはNA=1.25です。これは理科系の大学生の実習などにつかれているレベルです。私のオプチフォトのシリーズについていたCFPlanは大学なら研究室レベルとワンランク上でNA =0.3となります。これがアポになると古いCFシリーズで0.4となります。ちなみに私のもっとも使用頻度の高いCaelZeissのPlan-NEO FLUARはNA=0.30です。
以前、藻類の小さな構造を観察するのに63xNA1.40と100xNA1.30を比較しました。両方で写真を撮ってみると対象を同じサイズにしたときには63xから拡大したものの方が解像度が上でした。

【レンズの状態が重要】

その同じレンズはカタログ価格で70万円なのですが中古品が驚くような値段でアップされていたことがあり、即お店に電話して取り置きを頼みました。購入前にテストしていいと言われたのでチェックしたところ残念ながら本来の性能は認められませんでした。倒立顕微鏡の油浸で使われていることが多いらしく、そのオイルが入り込んでいてせっかくのレンズをダメにしていたのです。
だいぶ経ってから別の中古品を買いました。

【販売店が語るいいお客さん】

販売店はお客さんから「観察していてよく見えない」という声を聞くそうです。そうすると「今お使いの顕微鏡より新しくてもっといいものが出ています」と営業するわけです。
この言葉に嘘はないのですが、見えない理由の大半は使い方を間違っているからとのこと。私も研究室、研究所で何度も経験しています。

【観察方法で:位相差、微分干渉】

位相差観察をするには位相差レンズが必要かつそれに対応したコンデンサーが必要になります。これらについてはまた別にお話しします。

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