これで使える顕微鏡・中級編(01):照明の肝はコンデンサー

小学校などで使われている顕微鏡とNikonGH2の決定的な違いはコンデンサーがあるかないかです。顕微鏡像のクオリティを決めるのは一に対物レンズなのですがその性能を引き出せるかかどうかはコンデンサーの性能に依存します。
ここではGH2についているコンデンサーの使い方に限って説明しますが、詳しい理屈を知りたい方は以下のページなどを参考にしてください。
日本顕微鏡工業会のページ
オリンパスのページ。(2019.9.18~)

【コンデンサーを外してみる】

ステージの下を見ると左側にネジがついていてコンデンサーを取り外しできるようになっています。コンデンサーが落ちないように右手で支え左手でネジを回して外して見ましょう。例えばプレパラートから水がこぼれ落ちるなどコンデンサーを汚してしまったら顕微鏡から外してクリーニングします。

【コンデンサーを裏から見る】

コンデンサーを裏から見てください。レバーがついているので動かしてみましょう。これが絞りです。丸いリングの大きさが変わることが確認できると思います。これによってプレパラートへの光の当て方を変えるのです。(詳しくは別に)

【コンデンサーをつけ直して右のレバーで上下】

NikonGH2ではコンデンサーをつけるときはできるだけ上まで差し込んでしっかりネジ止めします。余計なお世話とは思いますがレバーが操作しやすい角度につけましょう。

写真右側のレバーを動かすとコンデンサーが上下するので確かめておきましょう。ただ通常は一番上にしておけば良いと思います。

【まずはミジンコを見てみよう:コンデンサー絞りで見え方が激変!】

コンデンサーの効果がとても分かりやすいのでミジンコを例に説明します。初級編で示したように全身を見える状態にしてください。
絞りのレバーを左右に動かすとミジンコの見え方が変わるはずです。左に動かすと視野は少し暗くなりますがミジンコ全体にフォーカスがあったようになり表面の網目模様もはっきりします。
逆に右に動かすと視野が明るくなってミジンコはちょっとモヤっと見えると思います。ただし絞りを開いた方が解像度は上がっています。
この絞りを自分の目的に合うように使いこなすことが重要です。

【コンデンサー絞りは明るさ調整の道具ではない!】

コンデンサー絞りはプレパラートに当てる光の角度を調整するものです。
絞りの開け閉めで明るさが変わるため「明るさ調整にコンデンサーの絞りを使う」という人やそう書いてある本があるのですが、アウトです! 顕微鏡のことを知らない人の言うことは聞いてはいけません。

【補足:コンデンサー絞りの目安】

コンデンサーの絞りにはメモリが振ってあったり数字が書いてあるものがあります。対物レンズには開口数が書いてあるのでこの数字の0.6〜0.7倍あたりに合わせるのが目安だそうです。実は私がこれを知ったのは数年前のこと。でも数字を合わせるのが目的ではありません。自分が見たいものをきちんと見られるように使いこなすことが重要なのです。

【GH2のコンデンサーは下にフィルターが入る】

GH2のコンデンサーの裏側にはフィルターが入るようになっています。これは赤みがあるハロゲンランプの色を白く補正する青いフィルターを入れるためです。
私はこれを利用して拡散板を入れてショートランチャーや自作LEDの光を平行光線化しています。

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