これで使える顕微鏡・中級編(03):暗視野照明で暗がりから浮き上がらせる

暗闇からものが浮かび上がったような顕微鏡像を見たことはありませんか。通常の照明を明視野というのに対して暗視野という照明によるものです。本来は暗視野専用のコンデンサーを使うのですが、ほんのちょっとした工夫で同じような観察ができるのでぜひ試してみてください。(2019.9.18~)

【暗視野照明とは】

まずは暗視野照明の概略です。コンデンサーレンズの中央を黒く覆い、レンズ周囲からの光で照明します。観察するものの裏側からは直接光が入らないので背景は黒く見えます。
詳しくは日本顕微鏡工業会のページ(6.2 暗視野観察法)などをご覧ください。

【NikonGH用に作った暗視野コンデンサー】

NikonGH2でもこれを応用することが可能です。私がすすめる照明ではコンデンサー下のフィルターフォルダーに拡散板を入れていますが(写真中央)、この真ん中に丸く切った黒い紙を貼りつけるだけで暗視野効果が得られます。

【使用上の注意点】

暗視野フィルターに替えてプレパラートをセットし顕微鏡をのぞいた瞬間よく見えないことがあるかもしれません。理由の1つはコンデンサーの絞り(茶色)です。うっかり絞りを絞ったままだと周辺部の光が入ってきません。絞りを開けてみてください。
またコンデンサーの位置もきちんと合わせておかないと光がうまくあたらずに効果がでないことがあります。コンデンサーの位置も確認してください(右のレバーで上下させてみる)。

【暗さ対策】

倍率を上げるほど光が足りなくなっていきます。明るいライトについて考えてみてください。

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