これで使える顕微鏡・中級編(17):大きさの計り方

見ているものの大きさを知りたいことがあるでしょう。プランクトンを図鑑と見比べて種類を知りたいときも大きさが目安になることはあるものです。
たいていの顕微鏡マニュアルには対物および接眼ミクロメーターを使ったやり方が書いてあるかと思います。もちろんそれが悪いわけではないのですが今では周辺機器が充実しています。費用をかけず簡単に計ってみましょう。(2020.5.00)

【カメラを使えば簡単】

顕微鏡の拡大率は対物レンズ(と接眼レンズの組合せ)でだいたい決まってしまいます。それなら対物レンズごとに自分のカメラを向けた時の画面サイズをカメラで記録しておけばいいのです。
私は対物ミクロメーターをもっているのでこれを撮影しておいて次に見たものと比較しています。

【対物ミクロメーターがなければ定規で代用】

わざわざ対物ミクロメーターを買う必要はありません。定規で代用も可能です。と最初は金属の定規を置いたのですが、40倍の対物レンズではレンズ先端が定規に近すぎて光がうまく当てられないなど問題あり。できれば透き通った定規が良いです、それも薄いもの。手元の長く分厚い定規はイマイチでした。
また40倍のレンズで扱いにくければ計算で行きましょう。40=10×4。厳密なことを言わなければ10倍のレンズの4倍でおおよその大きさはつかめます。

【スマホで簡単に計れます】

もちろんスマホでもOKです。本当に気に入ったものはズームしてアップサイズで撮影しても、大きさのデータとしてズーム端でも1枚記録しておきましょう。
スマホを使った撮影については「番外編|タダ同然の簡易スマホ・アダプター」を参考にしていただければと思います。

【専門家もやってます】

この琵琶湖のプランクトンを長年調べている一瀬諭さん。毎週一度、琵琶湖の決まった位置、採集方法でプランクトンを採集して種類を同定しや数を数えてその変動を追っています。この写真は研究室を訪問した時のもの。常に顕微鏡とカメラ、モニターの組合せは同じなので専用の定規を作ってモニターに映った映像からプランクトンの大きさを計っています。
詳しくは滋賀県のホームページの中にある「プランクトン観測室」をご覧ください。

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